[国連 13日 ロイター] - 米国は、新たな弾道ミサイル発射を行った北朝鮮への制裁強化を国連安全保障理事会に働き掛けている。たばこの禁輸や同国向け石油輸出の半減、ハッカー集団「ラザルス」のブラックリスト化を盛り込んでいる。ロイターが13日、決議案を確認した。

米国は今週、この草案を15カ国の理事国に提示。採決の行方は今のところ不明。決議案採択には賛成9票と、常任理事国が拒否権を行使しないことが必要となる。

北朝鮮は先月24日、2017年以来初となる大陸間弾道ミサイルを発射。ロシアと中国は既に、発射を受けた制裁強化に反対する方針を示している。

米決議案は、弾道ミサイル発射禁止措置の範囲を巡航ミサイルや「核兵器を運搬できるその他の運搬システム」にまで拡大。また、たばこの禁輸を盛り込んだ背景には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記がチェーンスモーカーとして知られていることがある。

決議案にはラザルスへの資産凍結も盛り込んだ。米国はラザルスが北朝鮮の主要な諜報部門である偵察総局の管理下にあると指摘している。

ラザルスは、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃「ワナクライ(WannaCry)」、国際的な銀行と顧客口座のハッキング、14年のソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対するサイバー攻撃への関与が疑われている。