安楽死の5分前、父は記念写真に納まった オランダで考える「死を選ぶ」という選択肢
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オランダにおける安楽死の状況についてレポートした記事だが、いま読んで良かったと感じた。
認知症が進行する中で,自分の尊厳を保つために安楽死を選びたいと希望するお年寄りの選択が紹介され,本人の気持ちもわかるかもしれないと思いながらも、残された配偶者がいまだに選択を受け入れられないことに複雑な気持ちになる。そのうえで以下の重要な論点が提示される。
>安楽死が認められるのは申請した人の3分の1程度。最も重視されるのは「完全に本人の自由な意思に基づくこと」、そして「生きること自体が耐えがたい苦痛であること」という二つの条件を満たしていることだ。
> 「安楽死が認められるには、本人が周囲に気兼ねなく、最高水準のケアを受けていることが前提」と話す。周囲の負担が軽減されたり、ケアの水準が上がったりすることで安楽死を望まなくなれば、それは「完全な自由意思」という安楽死の条件を満たしていないことになるからだ。
>もしも「周囲の負担になるから」という理由での安楽死を認めれば、「家族や他人に迷惑をかけないため、安楽死を選ぶべきだ」という患者本人へのプレッシャーにつながりかねない。
今後の日本も超高齢化社会の中で安楽死の議論はたびたび出てくると思うが、議論が炎上する以前の平静な感情のときにこうした論点に触れておくことは非常に大事だと感じる。もし自分なり親しい人なりがこの選択を視野に入れることになった場合、感情と切り離して判断することは絶対に不可能だろうと思う。