150億円調達の決済のユニコーン企業Fastが突然の事業閉鎖
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注目のコメント
投資家も買い手も見つかりませんでしたね...。Fastが出てきた背景には2017年にAmazonのワンクリック決済の特許が切れたことがあります。それに伴い、同社や同じくスタートアップのBolt、決済大手のPayPalが相次いでワンクリック決済サービスリリースをしました。以下は気になったところ
・前回ラウンドのリードインベスターのStripeは出資後にモニタリングをしていなかったのか
・なぜ収益が6桁なのにバーンレート(毎月消費するコスト)が1,000万ドルもあるのか
参考:
『Fast shuts doors after slow growth, high burn precluded fundraising options』
https://newspicks.com/news/6910932
ちなみにFastはエンジニアがBNPLのAffirmで働けるように交渉したので、Fastのエンジニアが大量にAffirmに入る可能性があります。個人的にはこういう実態を伴わない成長ストーリーに基づく資金調達がどんどん明るみになることが、スタートアップやテック業界全体のためになると思います。
世の中で必要とされないサービスやプロダクトに投入される人的資源(特にエンジニア)がもったいないからです。経営上のボトルネックはカネよりもヒトになっています。閉鎖するFastのエンジニアをAffirmが引き取るとすぐに手をあげたという話が象徴的です。
ある程度の割合の失敗を前提に投資をするVCのモデルは理解出来ますが、金余りが続いていた近年は度が行き過ぎていたのは否めません(全てのVCがそうだったとは思いませんが)。ちゃんと投資の目利きがされないと、過剰流動性の中では、無駄なプロジェクトにリソースが投入され、全体での最適な資源配分が阻害されます。エンジニアの育成には時間がかかり、お金では解決出来ません。失敗事例からこそ学ぶべきことがありますね。
私が起業した時に先輩経営者から
事業は普通にやると、普通に失敗するから、
異常なまでに執着して経営した方が良いと言われました。
10年経営していて、
その言葉の意味が少しだけ分かる気がします。