Web3(3.0)を元MIT伊藤穰一氏が語る 東京駅の拡張性がヒントに
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伊藤穣一さんとWeb3が変えていく未来についてお話しました。バブルに踊らされず本質的に変わっていくものが何かを見極めたお話しびれます。(この記事は2022年3月30日 9:11まで無料で読めます)
「新しい技術ができてから、その技術によって社会がアップデートされるまでには、かなりのディレイ(遅れ)があるんですよね。技術の誕生と、それによって社会が変革するタイミングって、実はずれていて。社会が変わっていくときには、すごく大きな、ゆったりとした動きがあります。
「会計」の歴史を振り返ってみましょう。会計の概念は、メソポタミア文明の頃、粘土板に数を記録することから始まりました。資産を管理できるようになったことで、都市国家が発展していったわけです。次の改革は、複式簿記の誕生ですね。取引の原因と結果を記録することで、お金の貸し借りができるようになった。投資や貸し付け、それらを行う組織のシステムが誕生しました。
ブロックチェーンやインターネットは、会計でいうところの「粘土板」や「複式簿記」の誕生にあたるイノベーションです。今はまだ、従来の銀行のあり方やお金の管理方法をデジタルで活性化させている段階。考え方は変わっていません。だけど、根本的にすべてが変わるような、大きな変化がこれから訪れると思うんです。その大きなトレンドには興味がありますね。」
「僕は、美学から倫理が生まれ、倫理から目的やゴールが生まれる、と考えています。今の資本経済では、「物を集める」ことがゴールになっている。ルールや組織のシステムをいくら変革しても、人々の倫理観が同じなら、社会の向かう先はそれほど変わりません。社会のゴールを変革するには、美学から変えていく必要があると思うんです。」