(ブルームバーグ): Zホールディングス(ZHD)の事業会社であるLINEは23日、ブロックチェーン技術を使って発行される唯一無二のデジタル資産「非代替性トークン(NFT)」のマーケットプレイス(電子市場)サービスを4月から開始すると発表した。

発表資料によると、サービスを提供するのはLINEの暗号資産事業を手掛けるLVC(東京都品川区)。国内で月間9000万人が利用するLINEのユーザーは来月13日から、LINE上でアニメやスポーツ、ゲームなどのNFTの購入や取引が可能になる。今後はNFT購入時の決済手段としてペイペイの導入も検討し、ネットオークションサービスのヤフオクとの連携も進めるという。

今回のサービス開始に当たり、吉本興業やテレビ朝日、プロバスケットボールリーグの「Bリーグ」、スクウェア・エニックスなど17コンテンツと提携し、100種類以上のNFTを順次販売することも明らかにした。

NFTなど次世代の分散型ネットワーク「Web3(ウェブ3)」ビジネスは海外を中心に急拡大しており、ZHDを傘下に置くソフトバンクグループをはじめ日本でも参入の動きが活発化し始めている。同分野で先行するオーストラリアのアニモカブランズが日本に進出し、楽天グループも2月にスポーツや音楽、アニメのNFTを売買する電子市場を立ち上げた。

ZHDの川辺健太郎社長は3月のブルームバーグとのインタビューで、「ウェブ3の世界は全く新しい人生を過ごす環境になる可能性がある。成長が著しく、取りこぼさないようにしていきたい」と発言。同ビジネス拡大のため、企業の合併・買収(M&A)を積極的に行い、ソフトバンクGや韓国のインターネット大手ネイバーと協業していく考えを示していた。

LVCにはLINEが92%、野村ホールディングスが8%出資している。LVCの林仁奎社長は23日の会見で、暗号資産やNFTを含めた「新しい金融サービスを展開するので、野村のノウハウに期待している」と語った。

(会社側の申し出で最終段落のLVCの出資比率を訂正します)

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