[ワシントン 28日 ロイター] - ウクライナのサイバー攻撃部隊は、ロシアによる侵攻の報復として、ロシア国内の鉄道システムや送電網など重要インフラにサイバー攻撃を仕掛ける計画だ。同部隊の取りまとめ役であるエゴール・アウシェ氏が明らかにした。

ウクライナ国防省は先週、サイバーセキュリティーの専門家である同氏に、対ロシア防衛のため、ハッカー部隊をとりまとめるよう打診した。

アウシェ氏は28日、ロイターに、ロシアの兵士や兵器のウクライナへの輸送を支えるインフラを妨害する計画だと述べた。「戦争を止めるためには何でもやる」と述べ、「兵器をウクライナに輸送できないようすることが狙いだ」とした。

同氏によると、サイバー攻撃部隊は既に、ロシア政府や銀行の多数のウェブサイトに攻撃を仕掛けた。

アウシェ氏率いるサイバー攻撃部隊のうわさが広がるなか、ベラルーシの反体制ハッカー集団「サイバー・パルチザン」はロシア軍兵士の輸送に使うとされるベラルーシの鉄道システムにサイバー攻撃を仕掛けることを買って出た。

同集団の広報担当者は28日、攻撃を実行したとロイターに明らかにし、ウクライナのサイバー攻撃部隊に協力していることを確認した。

ロイターは鉄道の輸送システムへの攻撃を確認できていないが、鉄道会社の予約サイトは1日午後に利用できなくなっていた。

アウシェ氏はまた、サイバー攻撃部隊が携帯電話の追跡技術を使って、ウクライナ国内に移動するロシア軍スパイ部隊を特定する方法を見いだしたと述べた。

ロシア軍部隊はウクライナ国内で商業用携帯電話で交信していると複数のメディアが報じている。

ロシア大統領府も含む複数の政府関連ウェブサイトは過去1週間に、「DDoS(分散型サービス妨害)」とされる攻撃でアクセス障害が起きている。