[東京 25日 ロイター] - 日本政府は25日、ウクライナに軍事侵攻したロシアに追加制裁を発表した。親ロ派地域の独立承認を受けて23日に公表した同地域関係者の資産凍結やロシア国債の日本における発行・流通の禁止などに加え、今回新たに、1)ロシアの個人・団体の資産凍結、ビザ発給停止、2)金融機関対象の資産凍結、3)ロシアの軍事関連団体への輸出規制リスト品目、半導体など汎用品のロシア向け輸出制限──を盛り込んだ。

同時に、貿易保険の迅速な支払いといった、輸出入に影響を受ける企業の支援も打ち出した。

影響を受ける可能性がある日本企業の対応、反応は以下の通り。

<半導体など汎用品のロシア向け輸出制限>

●東芝

半導体子会社デバイス&ストレージが半導体とハードディスクを輸出している。金額等は非公表。制裁の影響は今後精査するが、大きな影響はないと考えている。

●イビデン

半導体などの輸出制限の影響は現時点でない。部材として利用するパラジウムなどロシア発の原材料調達が、今後どうなるかを警戒している。万が一に備えて調達先を分散しているが、サプライヤーと緊密に連携していきたい。

<ロシアの銀行に対する制裁>

●大手銀行

メガバンク3行のロシア向け貸出残高は合計5000億円以下(2021年9月末時点)で、EU(欧州共同体)の金融機関と比べるとエクスポージャーは小さい。あるメガバンクの幹部は「送金などのルートを変える必要があるなど実務的な作業は増えている」が、「現時点で直接大きな影響は出ていない」と話している。

<ロシア国債の発行・流通禁止>

●SMBC日興証券

新規の発行についてルーブル建てなのか外貨建てなのか、円建てか、国債なのか政府保証債のような準国債か明確ではないので、当局とも確認が必要だろう。規模としては、おおよそで言うと、ファンドに組み入れられているものは9本ほどある。ただし全体数が約1100本を超える中なのでかなり少ない。

●大和証券

ロシアのソブリン債を法人、個人ともに直接保有している投資家はいなかった。ただ、投信に入っているものはある。数%組み込まれているだけで販売停止がされるとの理解ではないが、運用会社のほうで検討・精査しているところで、販社としては確認中。