[ロンドン 23日 ロイター] - 英国のドリーズ文化相は23日、ロシア国営の対外発信テレビ局「RT」がロシア政府による偽情報拡散の手段として利用されているとし、英規制当局に必要に応じて対応するよう要請した。

RTは英語、アラビア語、スペイン語、ドイツ語で放送。ロシア政府のプロパガンダを広めていると批判されているが、ロシア当局者はこれに対し、米英の報道機関が支配する世界のメディアに対抗する手段と説明している。

メディア部門を担当するドリーズ文化相は、英国情報通信庁(Ofcom)宛の書簡で、RTがウクライナ危機に関連する「有害な偽情報」の拡散を試みる恐れがあると懸念しているとし、対応を求めた。

情報通信庁は書簡への回答でRTについて特に言及しなかったものの、「ウクライナを巡る危機の深刻さを認識し、状況を緊密に注視している」とし、情報通信庁が認可した媒体が「一方的なプロパガンダを放送することは容認できない」とした。

RTのアンナ・ベルキナ副編集長はロイターに対し「英国の文化相は、政治的な圧力と影響から完全に自由であるべきはずの機関に対し、明らかに直接介入している」と指摘。政治的な圧力にもかかわらず、英情報通信庁は過去4年にわたりRTによる違反を指摘できていないと述べた。