(ブルームバーグ): 中国のデジタル業界で仮想現実(VR)やゲーム、ソーシャルメディアの融合を図る取り組みが活発化する中で、銀行保険監督管理委員会(銀保監会)が「メタバース」をうたう違法な資金調達に対し警戒を呼び掛けた。

中国政府は暗号資産(仮想通貨)と、トークンを伴うブロックチェーンゲームを基本的に禁止しているものの、メタバース関連のプロジェクトはすでに容認しているもよう。

国有通信会社大手のチャイナモバイル(中国移動)などは昨年10月、メタバース産業委員会(元宇宙産業委員会)を設立。テンセント・ホールディングス(騰訊)やアリババグループなど中国のテクノロジー大手は最近、メタバース関連の商標登録を申請している。

VRや拡張現実(AR)、ゲーム、eスポーツに投資するクラウドツリー・ベンチャーズのニューヨーク在勤マネジングディレクター、ウィンストン・マー氏は「中国のブロックチェーン業界ですでに見られたように、メタバース技術・仮想資産取引の枝分かれがあるのかもしれない」と述べた。 

銀保監会は18日の声明で、非代替性トークン(NFT)やブロックチェーンゲームには直接言及せず、「メタバースの概念を事業と結び付け、『ゲームしながら稼ぐ』や『短期高利回り』をうたい文句に仮想通貨やゲーム内資産を取引することで人々を投資に誘い込む犯罪者」がいると指摘するとともに、バーチャル不動産が詐欺の手口として使われていると警告した。

原題:China Issues Warning About Rising Metaverse Related Schemes (抜粋)

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