マスク氏のスペースX、「太陽嵐」で人工衛星40基が機能停止
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他記事よりコメント転載
本件、SpaceXの説明には疑問が残ります。
金曜の磁気嵐の強度はG1(最弱、毎週あるレベル https://spaceweatherlive.com/en/archive/2022/02/04/kp.html)
かつ、事前に予報されています( https://swpc.noaa.gov/news/geomagnetic-storm-conditions-likely-2-3-february-2022 )。
磁気嵐以外の原因も重なったのかもしれません。あるいは、予報は木曜日で実際にG1が来ており、嵐が通り過ぎたと思って早速木曜日に打ち上げたら金曜日にも来た、ということだったかもしれません。
また、セーフモードということですが、コマンドが通るなら燃料を食うけども墜落前にリブーストできたはず。落ちた数が確定していないことからも通信ができない状態だったのかもしれません。49機は同じ軌道にいるはずなのにどうして9機は助かったのかな、とも思います。
と断った上で解説を。
磁気嵐と呼ばれていますが衛星が落ちる原因は地磁気云々ではありません。現象のひとつとして地磁気の減少が観測されるため、おそらく人工衛星がなかった時代にこの名前がついたのでしょう。
僕は専門家ではありませんが、要は太陽フレアが起きて太陽風が地球に当たり、上層大気が加熱されて膨張する、ということのようです。
記事にあるように、Starlinkは打ち上げ直後の異常でデブリにならないよう、低い軌道に打ち上げられていて、もし以上があったらコマンドが通らなくても勝手に機動減衰するようになっています(そこらへんちゃんとしているんだ、と本件で知りました)
で、上層大気が膨張するので人工衛星の空気抵抗が増します。予定より起動減衰が速かったため落ちました、ということでしょう。磁気嵐が原因で衛星が故障したということだが、どのような故障だったのだろうか。
過去には
・太陽フレアで放出される高エネルギー粒子が衛星の内部の半導体素子の動作異常を引き起こす、または破壊してしまう
・衛星表面が帯電して放電現象により衛星表面に露出している太陽電池等の電子機器が損傷する
といった事故が報告されている。
49基のうち40基以上が機能停止に陥ったということは、そして仮に全て同じ故障モードだったのであれば、設計上の弱点があったということだろう。別にStarlinkの設計が特に他と比べて悪かったということではなく、こういった問題は運用を開始してからでないと気づきにくいことが多い。逆に、これだけのスピードで衛星を打上げていれば、衛星設計の完成度もどんどんあがっていくだろう。小型衛星コンステレーションにとって大きな脅威である宇宙天気だが、その脅威を十分見積もっていないのではないかと思料。結局、イケイケでビジネスをやれるほど宇宙は楽な場所ではない。
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