2022/2/5

【徹底解説】中国が本気を出す「デジタル人民元」の正体

NewsPicks 金融ジャーナリスト
長い間、通貨の進化は止まっていた。しかし、2月4日から冬季オリンピックが開かれている中国の北京で、新たな通貨の試験運用が行われている。
「デジタル人民元」だ。
いまだに広く使われている硬貨や紙幣は、流通コストの高さ、セキュリティリスク、そしてデジタル社会での利便性に大きな課題を抱えている。
そこで、次世代の通貨として期待が高まっているのが、「CBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行デジタル通貨)」と呼ばれるデジタル化された法定通貨だ。デジタル人民元は、中国におけるCBDCである。
CBDCの開発で、中国は圧倒的に世界をリードしている。中国が「デジタル人民元」のアプリの配布を開始したのは1月4日。そして、五輪の会場付近では、外国人でも専用カードを通じた利用が可能になるなど、北京五輪に合わせて、中国は「デジタル人民元」の試験運用を本格化した。
北京五輪のメディアセンター内にあるオフィシャルストア。デジタル人民元が利用可能になっている(写真:VCG/VCG via Getty Images)
中国が開発に力を入れているデジタル人民元とは、一体どんな通貨なのか。そして、人々の生活にどういったインパクトを与えるのだろうか。
通貨の未来を大きく左右する、デジタル人民元の最新動向を解説する。
週末に世界の大きな動きに目を通し、未来を考える際の参考にしてほしい。
INDEX
  • 使い方は「シンプル」
  • 電子マネーとの「3つの違い」
  • 次世代通貨「CBDC」の正体
  • アリババ、テンセント寡占に対抗
  • ユーザー獲得が「最大の課題」
  • G7が危機感を持つ理由

使い方は「シンプル」