ゴールドマン社長、異例のFRB批判-独立性と決意に疑問符
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注目のコメント
バイデン政権のアキレス腱の一つが急激なインフレということで、バイデン氏のお願いを忠実に聴きすぎなんじゃない?との批判なのかな。トランプ氏の時も忠実に金利下げていくように見えたし、ある意味すごい人なのかも…
ちなみに、米政府とFRBの距離感の近さが景気に影響していると指摘する論文は多数あります。利下げを求め続けたトランプ大統領との綱引きに呼応したのか前回の利上げ局面を比較的早めに終えたこと、バイデン大統領の巨額の財政支出をインフレ懸念は一時的と主張して支えたことなど、FRBが政治に呼応していると取られても仕方ないところは確かにありそうですが・・・
日本を筆頭に先進諸国が“長期停滞”に入った1990年代以降の中央銀行は、基本的に緩和の道を取ればよく、引き締めは好況のうちに次の緩和余地を多少なりとも取り戻しておこうといった程度の出来事であったように感じます。だから2015年から2018年に掛けての前回の引き締め局面も、株価が不安定になったり債券市場が混乱したりしたらあっさり方向転換して市場を支えることが出来ました。
しかし、巨額の財政支出と供給制約が重なって40年ぶりと言われるインフレに陥った今回は、金融市場が多少動揺しても、インフレが収まらない限りFRBは簡単に引き締め姿勢を転換することが出来ぬはず。過度なインフレで選挙民の怒りを買うバイデン大統領はFRBにインフレの鎮圧を望んでいるはずで、金融市場の雄のゴールドマンとしては、FRBが市場の動揺を無視してボルカー時代のような過激なインフレ征伐に走ることを何としても牽制したいところでしょう。
ゴールドマン社長の異例のFRB批判の真意を知り得る立場にはないけれど、インフレ抑制を重視する政府・FRBと、市場の動揺阻止を重視する金融業界の違いが現れているんじゃないのかな。1970年代の終わりから1980年代にかけてボルカーFRB元議長が進めた強烈なインフレ対策と金融市場の混乱を現場で見続けたことがあるだけに、今後の成り行きに少なからず不安なものを感じないでもありません。 (・・;ウーン