[ロンドン/キエフ 23日 ロイター] - 英国のラーブ副首相は23日、ロシアがウクライナに傀儡(かいらい)政権を樹立した場合、厳しい経済制裁を受けることになると警告した。

英外務省は22日、ロシアがウクライナ政府の指導部に親ロシア派を就任させようと画策していると非難した。また、ロシアの情報機関が侵攻計画の一環として、複数のウクライナ元高官と接触していると指摘した。

ロシア外務省は英外務省の発表を「偽情報」とし、英国と北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ情勢を巡る緊張を高めていると非難した。

ウクライナ大統領府の顧問を務めるミハイロ・ポドリャク氏は、英国の指摘を真剣に受け止めるべきだとの見解を示した。

ラーブ副首相はスカイ・ニュースに対し「ロシアがウクライナ侵攻と同時に傀儡政権を樹立しようとすれば、非常に深刻な結果に招くことになる」と語った。

ロシアはウクライナとの国境付近に軍隊を集結させている。侵攻する計画はないと主張しているが、西側諸国は侵攻の可能性を懸念、緊張が高まっている。

米国家安全保障会議(NSC)のエミリー・ホーン報道官は声明で、「このような画策は深く憂慮される。ウクライナ国民は自分たちの将来を決める権利を持つ主権者であり、われわれは民主的に選ばれたウクライナのパートナーを支持する」と述べた。

英外務省によると、ヤヌコビッチ元政権下で最高会議議員だったムラエフ氏が、親ロシア派の指導者として最も有力視されているという。

ただ、同氏は英紙やロイターのインタビューで、この情報を根拠がないなどとし否定した。