[東京 17日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ(FG)の次期社長に就任する木原正裕執行役(56)は17日の記者会見で、一連のシステム障害を起こした同グループは「正念場にある」との認識を示した上で、再発防止のために「企業風土を大胆に変革していきたい」と語った。同社は、坂井辰史社長の体調不良を踏まえ、4月1日と発表していた交代時期を2月に前倒しする。

みずほFGは17日、システム障害を受け引責辞任する経営陣の後任人事を発表した。佐藤康博会長(69)の後任には、4月1日付で今井誠司副社長(59)を充てる。

みずほFGは同日、金融庁に業務改善計画を提出した。システム安定稼働に向けた追加の人員配置やシステム障害分析力の向上、デジタルデバイスの追加配布などを計画に盛り込んだ。

木原次期社長は「(社長として)課せられた使命はシステム、業務の安定稼働の確保」だと述べた上で、業務改善計画を日常に定着させていくことが重要だと説明した。

木原次期社長は木原誠二官房副長官の実兄で、1989年(平成元年)に旧日本興業銀行入行。みずほ証券の常務執行役員などを経て、直近では執行役兼大企業副カンパニー長などを務めている。平成入行の経営トップは3メガバンクで初めてとなる。

今井次期会長は旧第一勧業銀行出身、藤原弘治頭取(60)の後任としての昇格がすでに決まっている加藤勝彦副頭取(56)は旧富士銀行の出身で、みずほ前身の旧3行が主要ポストを分け合う。

みずほ銀では昨年2月から計10回のシステム障害が発生。金融庁が11月に出した業務改善命令では、「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」といったガバナンス上の問題が指摘された。