[ウィーン/モスクワ 13日 ロイター] - ポーランドのラウ外相は13日、ウクライナ情勢について、ロシアはなお外交手段を諦めていないが、緊張が緩和されない事態に備えて軍事的オプションも準備しているとし、欧州が戦争に突入する危険があるとの見方を示した。

この日、米欧やロシアなどでつくる欧州安全保障協力機構(OSCE)の会合がウィーンで開かれた。カーペンター米大使は会合後、「戦争の兆しは強まっており、発言もかなり厳しくなっている」と述べた。

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「軍事侵攻の脅威は高い」と指摘。今後の会談日程は決まっておらず、同盟国などと協議する必要があると述べた。

一方でロシアは、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を禁止し、欧州における同盟拡大を止めるよう西側に説得を試みているが、対話は行き詰まりつつあると懸念を示した。

ルカシェビッチ大使は、ロシアにとっての安全保障上のレッドライン(越えてはならない一線)について合意できなければ、「破滅的な結果」になる恐れがあると警告したが、外交を諦めたわけではなく、さらに加速させるつもりだと述べた。

この日の会合は、ジュネーブで10日に開かれた米ロ協議、ブリュッセルでの12日のロシア・NATO会談に続いて行われたが、ポーランドのラウ外相は打開策は見いだせなかったと述べた。

また、ロシアのリャブコフ外務次官はRTVIテレビに対し、情勢が悪化した場合に備え、軍事専門家がプーチン大統領に選択肢を示したと発言。一方で、外交的機会を探る必要もあると述べた。