大山エンリコイサムが横綱・照ノ富士のために化粧廻しを制作。「新しい感性を提示」
美術手帖
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数日経ってしまいましたが、今年はじめの驚きとなった横綱・照ノ富士の大相撲土俵入りの化粧まわしを大山エンリコイサム氏が務めた件。彼のユニークモチーフである「クイックターン・ストラクチャー」という、ストリートやアートギャラリーだけでなく商業デザインや公共空間などへと越境し拡散させる性質を面白すぎる形で見せてくれる出来事でした。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/25077
神聖な儀式、伝統、格式、品格という場に現代アートらしい革新性という違和感を持ち込みつつ、「横綱 照ノ富士」という名を示すための行為、身体的な運動性、外国人力士という複数のアイデンティティ、という少なくとも3つの点で作家がこれまで向き合ってきた問題と確実に接続するイヴェントであったと、報道にあらわれる内容を補足しておきたいです。
相撲文化について詳しくないので少し調べてみると、美術作品が化粧まわしに用いられるケースは珍しくなく、昨年の照ノ富士の化粧まわしは、横山大観の「富士」(1944)、菱田春草の「鷹」(1891)、福田平八郎の「茄子」(1939)という往年の日本画スターの作品であったとのこと(鷹も戦中の作品だったら「戦争画」として新たな頁が開かれるところだった!)。
https://www.kawashimaselkon.co.jp/info/news/20210907-01/