[ソウル 24日 ロイター] - 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、汚職で有罪判決を受けて服役中の朴槿恵(パク・クネ)前大統領に恩赦を与えた。法務省が24日発表した。

69歳の朴氏は、民主的に選出された韓国指導者として初めて罷免された。最高裁は1月、収賄罪による懲役20年の実刑判決を維持。法的手続きに終止符を打ち、恩赦の可能性が出ていた。

一方、朴氏の前任者で、同じく汚職で収監中の李明博(イ・ミョンバク)元大統領は恩赦の対象にならなかった。

大統領府は朴氏恩赦の決定は「不幸な過去の歴史を克服し、国民の団結を促し、未来に向けて手を取り合う」ことが目的と説明。報道官によると、文大統領は「これが考えの違いや賛否両論を越えて、統合と団結の新しい時代を開くきっかけになることを願っている」と述べた。

文氏は以前、汚職で有罪判決を受けた人々を赦免しないと公言していた。

来年3月の大統領選挙を控え、保守系野党「国民の力」の支持者や政治家の多くが朴前大統領の恩赦を求めていた。

最近の世論調査では、与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補と「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の支持が拮抗している。

野党議員はこれまで、朴氏が獄中で肩の手術を受けるなど健康問題を抱えていると指摘している。

ギャラップ・コリアの11月世論調査では、回答者の48%が朴氏と李氏の赦免に反対したが、今年初めの60%前後からは低下していた。