[上海 20日 ロイター] - 中国当局は民間・国有の大手不動産会社に対し、資金繰りが悪化している不動産開発会社から不動産プロジェクトを買い取るよう求めている。負債拡大で経済が不安定化するリスクを抑制することが狙い。

政府系の中国証券報が20日、匿名筋の情報として伝えた。

中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会はこのほど、金融機関に通告を出し、そうした買い取りに対する金融面の支援を強化するよう求めた。

中国証券報によると、規制当局は国内銀行に対し、資金繰りが悪化している不動産開発会社が保有するプロジェクトの買収向けに積極的に融資を行うよう要請。資金繰りが悪化している不動産開発会社向けの融資の縮小・引き揚げを控えるよう求めた。

ただ当局が奨励しているのは、不動産プロジェクトの買収のみで、資金繰りが悪化している不動産開発会社の株式取得ではないという。

一方、資金繰りに問題がない不動産開発会社に対しては、不動産プロジェクト買収のために社債を発行することを奨励。人民銀行は金融機関に対し、そうした社債への投資を求めている。

地元メディアによると、招商局蛇口工業区控股などの不動産開発会社は、近く銀行間市場で社債を発行し、調達した資金を合併・買収に充てる予定。