[メルボルン 7日 ロイター] - 英豪系資源大手のリオ・ティント<RIO.AX>は7日、スイスの商品取引・資源大手グレンコア<GLEN.L>から合併提案を受けたが、8月に拒否したことを明らかにした。

リオ・ティントは、グレンコアから7月に合併の打診を受けたが、8月に拒否したとし、その後合併について両社間で協議はしていない、と明らかにした。  

合併が実現していれば、BHPビリトン<BHP.AX>を上回る世界最大の資源会社が誕生していた。

リオ・ティントは「財務や法務関連のアドバイザーと協議した結果、取締役会は合併が株主にとり最大の利益にならないとの結論で一致した」との声明を発表した。

これを受け7日のシドニー株式市場でリオ・ティントの株価は一時4.7%高となった。

ブルームバーグは、グレンコアがリオ・ティント買収をめぐり、同社の筆頭株主である中国アルミ業公司(チャイナルコ)と協議していたと報じた。他の株主にも打診し、金融や規制上の問題についても検討していたという。

チャイナルコの広報担当者からはコメントを得られていない。

リオ・ティントの株価は30%以上過少評価されているとして、リオの株主からはグレンコアは敵対的な買収に進まざるをえないとの声が出ている。

しかしアルゴ・インベストメンツのマネジング・ディレクター、ジェーソン・ベッドウ氏は、グレンコアが敵対的買収を試みる可能性は低いとしている。

リオ・ティントの主な収益源である鉄鉱石の価格が5年ぶりの低水準となっていることで、グレンコアが買収を狙うとの観測が高まっていた。

バーンスタインのアナリストは鉄鉱石の価格が1ドル下がるごとにリオ・ティントの資産価値が15億ドル低下すると分析している。

香港市場に上場しているグレンコア<0805.HK>の株価は一時3.9%上昇した。