2021/12/16

【新法則】「日本のヒント」はここにある

フリーランス ジャーナリスト
INDEX
  • ①海外リスナーがひざまづく
  • ②各国チャートでトップ10入り
  • ③バズが起きるまで
  • ④相次ぐ予期せぬヒット
  • ⑤東映とファンの反乱

①海外リスナーがひざまづく

歌手の大貫妙子が、ここ数年、海外で思わぬ人気を享受している。
2010年代初頭から世界中のネットユーザーの間で「シティ・ポップ」が一大トレンドになったことから、大貫の作品は、ネット空間の音楽愛好家や、YouTubeのアルゴリズムのおかげもあって国境を超えて多くの人に聞かれるようになった。
特に、1977年に発表した2ndアルバム『Sunshower』への海外での注目は、人気テレビ番組の『Youは何しに日本へ?』でも取り上げられ、ようやく日本でも話題になった。
とはいえ、大貫が世界的に脚光を浴びるようになったのは、リスナーが床に崩れ落ちて彼女の音楽を聞くようになってからだ。
これまで大貫の3rdアルバム『Mignonne』(1978年)に収録された「4:00A.M.」は、坂本龍一が編曲したにもかかわらず、ほかの曲と比べると、あまり知られていなかった。