NY株小反落、0.06ドル安 重要指標控え様子見
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今週に入ってからの株価大幅上昇の反動から利益確定売りと英国が規制強化に踏み切るなど世界で新型コロナのオミクロン変異株感染急拡大への懸念が根強く、寄り付き後下落。その後、ダウ平均はほぼ横ばいレベルまで戻したものの、IT・ハイテク株への利益確定売りが強く、ナスダックは大幅安でした。
オミクロンについては、欧州の感染再拡大は気になりますが、現状は引き続き警戒感を伴いながらのマイルドな楽観論が多数派と言えます。
昨日発表の経済指標に関して、米労働省が朝方発表した最新週の失業保険申請件数は18万4000件と、前週から4万3000件減少。1969年9月以来52年ぶりの低水準で、市場予想の21万5000件も下回り、労働市場が順調に回復していることを示唆しました。
CPIについては、総合指数で前年比6.8%、コア指数で4.9%の上昇が予想されています。FRBはインフレ上昇の長期化への懸念を強めており、かなりタカ派的(金融引き締め容認)方向に向かっていますが、果たしてそれを裏付ける数字になるのか否かが重要ポイントとなります。
但し、FRBのテーパリング( 資産購入ペース縮小の早期終了) や、来年の半ば辺りでの利上げを市場が既に、充分織り込んでいますから、株式市場がどのような反応を示すかは分からないと言うのが本音です。市場予想以上のCPIの数字を受けて米国債利回りが上昇すれば、IT・ハイテク株には大きなマイナス要因となりそうです。
現状は、市場ではインフレに対する中期的な警戒感は拭えておらず、その懸念が米国金利の利回り曲線( イールドカーブ )のフラットニングという形で控えめに現れていると思います。
話は変わりますが、来年の株価予想が少しずつ出始めています。例年には無い程見方が二極化しているのが興味深いです。それは、(1) 企業収益の伸び鈍化やインフレ、FRBの金融引き締めなどで株式市場が大幅な下方調整の可能性もあるとの弱気な見方と、(2) パンデミックの収束で企業業績の改善見通しが強まり、FRBの金融引き締めに耐えることが出来る業績相場が株式市場を支えるという見方です。
インフレ、労働市場、景気動向、パンデミックなどFRBが舵取りする際に考慮すべき変数が増えていることから、予想がこれまでにない程分かれてしまっているのが原因でしょう。