[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)はロウ総裁は9日、リテール中銀デジタル通貨(CBDC)の導入を支持する強い根拠はまだないとの見解を示した。その上で、技術や国民の好みが急速に変化する中でそうした根拠が生じる可能性はあると認めた。

決済システムに関する講演で述べた。

規制当局が暗号資産の扱いを見直しているとも述べ、購入する際のリスクについて投資家に警告した。

総裁はデジタル決済の普及に伴い、CBDCを利用できるようになる可能性があると指摘。「それはリテールCBDC、eAUDのような形になるだろう」と述べた。その上で「ただ現時点では、特にオーストラリアの効率的で迅速かつ便利な電子決済システムを考慮すると、その方向に進む公共政策上の強い根拠は見当たらない」とした。

技術が進化し、豪中銀が保証するデジタル決済トークンの利点が生まれれば、根拠になる可能性があるとしながらも「歴史からの教訓は、民間が発行・保証する通貨は金融不安や消費者の損失をもたらすケースがあまりにも多いことを示している」と述べた。