[ウィーン 8日 ロイター] - オーストリア政府は8日、新型コロナウイルス感染拡大抑制のため実施しているロックダウン(都市封鎖)が終了する12日に、映画館やレストラン、美容室など広範囲に渡り営業再開を許可すると発表した。

しかし、多くの地域はより慎重に再開に向かう見通しで、全土一律の規制から地域によって異なる対策へと移行することになる。

国内で感染が最も多い西部ボラルベルク州と4番目に多いチロル州も直ちに再開に動く。

チロル州のプラッター知事は、ネハンメル首相とミュックシュタイン保健相と行った共同記者会見で、「一部の州は時間をかけて緩やかに再開するが、ブルゲンラント、ボラルベルク、チロルの各州は政府の再開措置を直ちに実行する」と述べた。

ボラルベルク州とチロル州は冬季観光への依存度が高いアルプス地域。封鎖期間中、全土のホテルは閉鎖されたが、スキーリフトは営業していた。

オーストリアは、1日当たりの感染者数が記録的水準に達したことを受けて2週間前に封鎖を実施。その後感染者は大きく減少したが、集中治療病床の使用率は依然上昇している。政府は封鎖開始時、実施期間は12日までの20日間と説明していた。

12日の再開は、対象事業者が所属する自治体がより厳格な規制を実施していないことが条件。

各州の対応としては、チェコとドイツと国境を接し、長らく感染が国内最悪となっているオーバーエステライヒ州が17日まで封鎖を継続予定。ウィーン州は封鎖解除1週間後からカフェとレストランを全面再開する一方、一般の店舗とクリスマスマーケットは13日から営業を認める。

国内メディアによると、このほか3州が類似の対応で、ホテルとレストランが17日から再開する。