[香港/上海 7日 ロイター] - 資金繰り難に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の一部オフショア債保有者が30日間の猶予期間までに利払いを受けていないことが分かった。事情に詳しい関係筋が明らかにした。これにより、世界で最も多額の債務を抱える不動産開発業者による大規模なデフォルト(債務不履行)となる可能性が出てきた。

中国不動産市場の流動性危機に拍車をかけているのが、同業の佳兆業集団。関係者によると、中国恒大に次いで海外債務の多い佳兆業も債券保有者との交渉がうまくいかず、7日に満期を迎える4億ドルの債券がデフォルトする恐れがある。

中国恒大集団の利払いはもともと先月が期限となっていた。この8250万ドルの利払いができなければ、オフショア債は正式にデフォルト(債務不履行)となる。その場合、「クロスデフォルト」条項により約190億ドルのオフショア債が同時にデフォルトとみなされる。中国史上最大規模のデフォルトとなる可能性がある。

中国恒大はコメントの要請に応じなかった。佳兆業はコメントを控えた。

ある債権者はデフォルトについて「『もし』ではなく『いつ』かという問題であり、利払いや来年初めの償還金額の規模からみて、これ(デフォルト)は避けられないように思われる」と述べた。

また関係者の1人によると、中国恒大は支払い遅延について社債権者に何の連絡もしていないという。

中国恒大は6日、国家機関の当局者を含むリスク管理委員会を設置したと発表した。恒大グループの「将来のリスクを軽減し排除する」ために重要な役割を果たすとしている。

市場関係者によると、中国恒大の問題はおおむね中国国内に限られ、影響が国際的に波及する可能性は低いとみられる。

デュレーション・ファイナンスのデータによれば、6日深夜に利払いの猶予期間が切れた2つのトランシェの一つである2022年11月6日満期債は額面1ドル当たり18.282セントとほぼ変わらずだった。

<佳兆業は債券保有者と協議>

佳兆業のデフォルトリスクは先週浮上した。

関係筋は全体的なデフォルトを避けるために、債券の50%以上を保有する債券保有者が6日夜、猶予条件の草案を送ったと明らかにした。佳兆業は先週、保有者と支払い猶予について協議を始めたという。

別の関係者は、協議は予備段階で最終的な条件の決定には時間がかかるとの見通しを示した。

佳兆業は協議には柔軟と述べたが、詳細な説明は控えた。