中国、独自の「民主」強調=白書公表、米けん制
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民主主義を広める啓発を進める国際NGOのフリーダムハウスはここ数年、民主主義の衰退を嘆く調査ばかりを公表しています。その行き着く先が中国版の「もう一つの民主主義」。そこにはこれまでとは違う「理念」がある「ビザロワールド」。
注目のコメント
国務院が発表した全文が出ていましたが、我々の考えている「民主」とは根本的に異なるということが良く分かりました。
内容はいつものごとく、中国共産党の自画自賛で埋め尽くされているのですが、中国の言う民主とは「人民民主和国家意志相统一」という言葉に集約されていると感じます。すなわち、裏を返すと国家の意思に反する民主は存在しない、ということです。
「民主是各国人民的权利,而不是少数国家的专利。一个国家是不是民主,应该由这个国家的人民来评判,而不应该由外部少数人指手画脚来评判。」
(民主は各国人民の権利であって少数国家の専売特許ではない。ある国家が民主的か否か、その国家の人民が評価するべきであって、外部の少数の者があれこれ口を挟んで評価すべきものではない。)とも述べており、明らかに「民主主義サミット」を意識した内容となっています。これは否定できない。
確かに「民主」が民主の支持ありきとすれば、中国人の人達は一定の支持をしていると感じます。日本も状況はそんなに違わないですし。他国への姿勢は民主と関係はないのかもしれませんけど。いつも通りの議論だけでは少し物足りないと思い、少しwikiを眺めてみました。
そういえば民主と共和の違いって何だっけ?と。
今ではdemocracyの訳語として民主(主義)、republicの訳語として共和(制)が当てられます。でもかつては両者の訳語として共に共和を日本語では、民主を中国語では充てていた、とされます。
では中国語での共和は何が当たるか。君主のいない政体で、世襲制君主を追放した時期に合議制を取ったからだそうです。
基本的な事項を押さえておくと、日本は天皇陛下が世襲制のため、日本は共和制には該当しません。一方で中国大陸はその国家の名称に「中華人民共和国」とあり、共和国とは明示されているが(DPRKのように)民主主義が国名に入っている訳ではありません。
1党独裁を中心とする社会主義を政治体制に持つ国において民主主義とは何か独自に追求してきた、というのは嘘では無いでしょう。選挙などの形で民意を問うている訳では無く、民衆・市民に政治的発言の自由を許していない中でどのように民主主義と言うことにするか、という観点では。
そもそも矛盾し得る概念を整合させる訳ですから、ある意味当然であり、その裏返しとして他の国で一般的な解釈はしていないのは然るべき所です。
ところで、この報告書が対米牽制というのは当然として、民主的な価値が理解されるには時間がかかるというのは有名な話です。
そもそも中国大陸は長年中国皇帝のいる君主制であり、1912年に崩壊した後は対外・対内戦争がずっと続いていた訳ですし、その間はほぼ「大総統」相当の人物がいました。
それを大陸内限定とは言え1つの国にまとめた「党」がいて、その党の指導の基に国が作られています。世襲制ではないから共和制とは無理に言えますがあくまで皇帝や総統が党に変わっただけです。
つまり民衆が平和的な形で政治に意思表明をした経験が事実上ありません。
でも民主的な価値の維持って物凄く難しいですよ。
UKだってBrexitでは3年迷走しました。
日本だってかつての安倍政権支持者の中にはそうでない方に対し本当に平和的にそうでない方の意見・価値観を尊重したと自信持って言える方はどれだけいるでしょうか。
自分の持つ価値観・支持を実現するには他を犠牲にして良い訳では無いとするなら、民主主義は全世界共通の理念になれていなく、日進月歩な訳です。