[ワシントン 2日 ロイター] - 米政権高官は2日、英国の鉄鋼とアルミニウムに課している追加関税撤廃に向けた交渉の遅れと、英・欧州連合(EU)離脱協定に盛り込まれた北アイルランドに関する貿易ルールへの英国の姿勢に懸念があることとは無関係だと述べ、2つの問題を関連付けた一部報道を否定した。

トランプ前米政権は2018年、欧州連合(EU)からの鉄鋼・アルミ輸入に25%と10%の追加関税を課した。関税は今年10月に撤廃されたが、EUを離脱した英国への関税は残っている。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、英国が離脱協定の合意の一部を一方的に停止できる北アイルランド議定書第16条(セーフガード条項)の発動も辞さないとの立場を示したことに米議会が懸念を募らせているため、米英間の通商交渉が停滞したと報じた。

しかし、米高官は両問題が無関係だと述べた。踏み込んだ説明はなかった。

米政権当局者らは、離脱協定の履行を巡る英・EU間の摩擦が、約30年にわたる北アイルランド紛争を終結させたベルファスト合意(聖金曜日合意)を骨抜きにする可能性にも重大な懸念を示してきた。

ジョンソン英首相の報道官は2つの問題を一緒にすべきではないと指摘。鉄鋼関税については、バイデン政権と緊密に取り組んでいるとした。