[ロンドン 30日 ロイター] - 英国の対外情報機関、秘密情報部(MI6)のムーア長官は30日、長官として初の演説を行い、中国政府は自信過剰のあまり、国際情勢を見誤る恐れがあると指摘した。

「中国政府は、西側諸国のもろさに関する自らのプロパガンダを信じ、米国政府の決意を過小評価している」とし、「中国が自信過剰のあまり誤算をするリスクがあるのは、紛れもない事実だ」と述べた。

ムーア氏は「中国の台頭によって影響を受けた世界に適応することが、MI6にとって最大の優先事項だ」と断言。中国が攻撃性を強めている分野の筆頭に台湾問題を挙げ、「必要とあれば武力による解決」を欲しているのは「世界の安定と平和に対する深刻な挑戦だ」とした。

中国は香港市民から権利を奪い、新疆ウイグル自治区で人権を侵害し、「世界中で公的な言説と政治的意思決定をゆがめようと」しているとも指摘した。

ロイターはムーア氏の発言についてロンドンの中国大使館にコメントを要請したが、返信は得られていない。