食品ロスを減らす「液体」に大物投資家が集合
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Apeel凄いですよね。5年程前から、S2G Venturesと言うフードテック特化VCが出資して以来見てきています。
Apeel社の成功を以って、今では類似スタートアップが世界中にあり、ピッチをお伺いすることも増えています。
日本においては、生鮮食品のサプライチェーンは、非効率性はあるものの「綺麗」を重視した形でとても整ってはいるので、既に色々な技術や工夫がなされています。コールドチェーン・冷蔵技術も充実し、エチレンガス分解技術などもあり、ちょっとした形で果物や野菜の一部分を切ったり加工したりして長持ちさせるノウハウも多く、何より、フィルムなども使われてきていましたし。
なので、日本では、ESG観点では、見た目として少しばかり傷ついたものも消費するようなマインドの普及も重要かな、と思います。CEOとは数年前に会話をしていました。理論上は様々な果物や野菜で専用液を作れるが、ニーズと単価でアボカドや柑橘類にフォーカスしているとのこと。日本の小売の方とお話しすると、日本では葉物野菜の品質保持期限を伸ばすニーズが非常に強いそうです。葉物野菜だと、専用液の付け方が変わってくるので、対応品種を増やすのにはオペレーションも合わせて対応する必要があります。
世界的にバナナやアボカドは消費量に対しての廃棄量が多い。バナナは世界で最も捨てられ、アボカドも例えば今爆発的に流通が伸びる欧州市場では年間流通量の1/3は捨てられていると言われるくらい。人体に対して害のない日持ち向上剤の開発は大事でしょうね。
ただ、同時に賞味期間が伸びて喜ぶのは廃棄リスクが減る販売者と消費者であり、生産者的な立場では売上を支えているのが回転率の高さ、つまり果物の足の早さである場合もある。捨てられるから、次の注文が来る。賞味期限が伸びて、売れ行きが伸びなければ、結果的に生産者は減収減益。だから、生果に関わる人の中には心底では複雑な人も多いだろうね。流通側にとっては廃棄リスクが減るわけだから、その分掛け率を上げて生産者の収益性を補填してあげるくらいの、生産者への強力も必要なのではないかなと思います。
ちなみに、アボカドのおいしさと追熟は基本的にはあまり大きな関連がありませんので笑。追熟で変わるのは食味、つまり硬さであって、根本的な味の決定要素である成分は摘み取る前の段階でしか増えません。不味いアボカドにApeelを使っても、不味いまま日持ちするだけだ、ということだけ最後に付け加えておきます。