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[ウィーン 29日 ロイター] - イラン核合意再建に向けた協議が29日、約5カ月ぶりに再開した。イラン側が強硬姿勢を堅持する一方、西側諸国がそのような姿勢では協議が進展しないと警告する中、欧州連合(EU)、イラン、ロシアの各交渉担当者は交渉打開に向け明るい見通しを示した。

核合意再建協議は4─6月にかけて6回開催された。7回目となる今回は1400GMT(日本時間午後11時00分)過ぎに正式に始まった。

核合意再建協議を仲介しているEUのエンリケ・モラ主席調整官は協議後、記者団に対し「きょう見たものについて非常に前向きに感じている」と指摘。新たなイラン代表団は全ての制裁を解除するという要求を堅持しているが、過去6回の協議内容を全面的に否定したわけではないとした。

ロシアのウリヤノフ在ウィーン国際機関常駐代表はツイッターで「極めて首尾よく開始された」と表明。核合意再建協議でイラン交渉団のトップを務めるアリ・バゲリ・カーニ氏は記者会見で楽観的かと問われ「その通りだ」と答えた。

ただ、このような楽観的な見方が正当化されるかどうかは不明だ。

欧州のある外交官はイラン側は時折、強硬姿勢を強めたとし、引き続き悲観的に見ていると指摘。西側諸国の外交官らはイランの交渉チームが提示している要求は非現実的だとした。

イランの関係者はロイターに対し「われわれの要求は明確であり、特に米国が核合意を再建させたいかどうかを決めるべきだ。米国が核合意から離脱したのだから、米国が核合意に戻り、全ての制裁を解除する必要がある」と語った。

イランのアミラブドラヒアン外相は協議再開直後の声明で、「米国は検証可能かつ効果的に全ての制裁を解除しなければ核合意再建に向けた道筋が閉ざされるという事実をいまだに正しく理解していない」と指摘。「米国が核合意に戻ったとしても、過去の苦い経験の再発を防ぐための保証がなければ意味がない」とした。

バゲリ・カーニ氏も、米国および西側諸国は将来的に新たな制裁を課さないという保証を提供すべきとし、「まずは違法かつ不当な米制裁を解消し、その次に他の問題を議論して決定するというイラン側の要求について、協議に参加した全ての当事国が受け入れた」と述べた。

バゲリ・カーニ氏のこの発言について、西側諸国からのコメントは現時点で得られていない。