経営者は株価を気にしなくてもいい? 

2021/11/30
NewsPicksトピックスで発信している記事を紹介する「Topics in topics」。オーナーの皆さんが書いた旬なトピックをお届けします。
INDEX
  • 経営者は株価を意識するべきなのか?
  • 知財のかじり方
  • 投票率問題とコミュニティ通貨

経営者は株価を意識するべきなのか?

 シニフィアンを創業し9月に著書「サステナブル資本主義」(祥伝社)を出版した村上誠典さん。本トピックスではスタートアップ経営について、コーポレート・ファイナスの視点から幅広く情報発信をしています。今回は「株価を気にしなくていい」と言い張る経営者がいることの分析とそれに対する村上さんの見解です。確かに市場の適正価格が企業の本来の価値を反映していない部分もあるとした上で、株価を気にしないデメリットにも触れます。最終的には、株価は当然経営者は気にすべきだと結論づけます。それもむやみに気にするのではなく、社会や企業の持続性を意識した見方で結論づけているところも村上さんらしさがにじみ出ます。村上さんのトピックは、扱う内容は堅くともやさしく簡潔な語り口でとてもわかりやすく、ファイナンスやスタートアップ初心者の方にも自信を持っておすすめできます。

知財のかじり方

 DeNAのサーキュラーエコノミー事業の事業戦略・知財戦略に従事する齋藤千絵さん。今回は、トピックス参加者から質問のあった「知財の学び方」についてわかりやすく解説しています。知財は特許権や商標権、著作権や意匠権などから成り立っており、学びを深めるのであれば、興味のある分野を入り口としてアプローチをするべきとアドバイス。たとえば特許権なら、権利の書かれ方や権利の効果は書籍を通して学ぶと特許権がどういうものなのかがわかります。また、ライバル社が持っている特許権について知りたいときは、J-platpatという特許検索サービスを使うのがオススメとのこと。特許・知財のニュースやイベントを凝縮した「パテントサロン」は、こんなニッチな情報サイトがあったのかという面白さ。知財について一気に解像度が上がる投稿でした。

投票率問題とコミュニティ通貨

 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科で特任准教授を務める古里圭史さんが、実業家の新井和宏さんと大川内直子さんをモデレーターに迎え、新しい経済のあり方を探る本トピック。今回はオーナーの古里さんが戦後3番目に低い投票率を記録した第49回衆議院選挙を話題にし「投票しても何も変わらないと思う」という人の心理について思いを巡らせています。飛騨信用組合で自身が取り組む地域通貨「さるぼぼコイン」にも同じような心理が働いているとし、そのような人にどうアプローチをし、どう行動を変容させられるかというのが、取り組みの本質であると説きます。サービス作りやコミュニティ作りに関わる人が、今回の選挙から学べることは少なくなさそうです。