[22日 ロイター] - 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは22日、国際オリンピック委員会(IOC)が行方不明となっていた女子テニスの彭帥選手(中国)の安全を証明するために行われたビデオ通話に参加したことにより、危険水域に突入したとの見方を示した。

ダブルス元世界ランク1位の彭選手は、中国共産党の幹部だった張高麗元副首相に性的関係を強要されたとSNSで公表。その後、3週間近くにわたり行方が分からなくなっていたが、21日にIOCのトーマス・バッハ会長とビデオ通話を行い、無事であると伝えていた。

アムネスティのアルカン・アカド氏は「IOCは危険水域に突入している。人権侵害のいかなる隠ぺい工作にも参加しないよう、細心の注意を払う必要がある」と警告。「過去にも同様のケースで、言論が統制されたことは何回もあった」とし、今回のビデオ通話では同選手の無事への懸念は払しょくされないと指摘した。

同氏は「中国政府、特に中国の国営メディアは、これまでも行方不明者が出た後、事実とは異なることを発表したり、人々に意思に反する発言を強制したりしてきた」とも述べた。

今回の件について元副首相、及び中国政府はコメントしていない。