(ブルームバーグ): 人工知能(AI)を活用したサービスを提供するエクサウィザーズ(東京・港区)が12月23日、東証マザーズに上場する。公募と売り出しで約300億円を想定し、シンガポールの政府系投資会社GICらに株式を売り渡す親引けも行う。

18日に開示した有価証券届出書によれば、仮条件は12月7日、公開価格は15日に決まる。想定価格は1株1050円で、時価総額は1000億円を超える可能性がある。

GICのほか、米キャピタル・グループと、著名投資家ジョン・ホー氏率いる、アリババ・グループ・ホールディング投資でも有名な香港のジャンカー・パートナーズがそれぞれ40億円相当の株式を購入する。

発行体が増資新株を特定の投資家に売り渡す親引けは原則禁止だが、公平で公正な配分に反さないと判断される場合のみ認められる。主幹事はSMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

同社は2016年設立、超高齢社会など課題に対応するため医療や介護、働き方、ロボット、金融、物流などの分野でAIを用いたソリューションを提供する。石山洸社長(39)はソフトバンクグループの孫正義社長が認める経営者で、後継者と事業家育成のために開校したソフトバンクアカデミアでプレゼンテーションし、18年12月に最高評価を受けた。

ブルームバーグは9月、エクサウィザーズが新規株式公開(IPO)に向けた準備を進めていると報じた。同社は4月、米ゴールドマン・サックスでテクノロジー・メディアセクターのバンカーだった河井浩一氏(36)を起用して、IPOに向けた戦略的な対話を投資家と行ってきた。

河井氏はブルームバーグの電話取材で、海外機関投資家を受け入れることについて、「グローバル目線で高い知見を有するインプットを重視しており、今後もさまざまな国内外の投資家と積極的に対話を行いたい」と話した。

 

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