政府、日本企業の半導体売上高2030年に13兆円へ－20年比で約３倍に

（ブルームバーグ）：政府は15日に開催した有識者会合で、日本企業による半導体の売上高を2020年の４兆5000億円から30年に13兆円まで増やす目標を示した。

同日午後に開催された「半導体・デジタル産業戦略検討会議」には萩生田光一経済産業相のほか、慶応大学の村井純教授やＮＴＴの澤田純社長、ソフトバンクの宮川潤一社長、キオクシアの早坂伸夫社長らが出席した。

経産省は、第５世代通信技術（５Ｇ）や自動運転などデジタル革命の発展により世界の半導体の市場規模が30年には100兆円と20年比で倍増すると予想しており、諸外国に匹敵する法的な枠組みを構築して継続的に支援する方針を示した。

また、国内企業による売上高目標13兆円に加え、国内で生産する外資企業も数兆円単位の売り上げ規模を目指していくとした。経産省は来年春に向けて必要な予算や法整備の詳細を検討していく考えだ。

半導体の受託生産を手掛ける台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）は熊本県での工場建設を決めており、ソニーグループは同工場に約５億ドル（約570億円）を出資することを計画している。

ソニー570億円出資－ＴＳＭＣが熊本に8000億円規模の半導体工場 (3)

選択しているユーザー

杉原利明
BBT大学院アルムナイ/機械技術者
・2021年11月16日
「半導体」の範囲がどこまでなのかが記載されていないが、4.5兆円という売上高から、シリコンウェハなどの材料や製造装置は含まない半導体製品のことだと思われる。
日本国内の半導体工場の多くは、90年代の世界首位だった時代に作られたもので、設備も老朽化しているし、技術者も高齢化している。
20年以上前の生産設備の更新と新人技術者の育成をしないと現状の売上規模の維持すら厳しいが、それを行うということなのだろうか？

注目のコメント

若林秀樹
東京理科大学　大学院経営学研究科技術経営(MOT)専攻教授
・2021年11月16日
昨日　13時から、有識者として、参加した、私も含め、メンバーから積極的な発言があった。国家安全保障、Ｒ＆Ｄ、蓄電池や教育のついての発言も多かった。ＴＳＭＣの件も。
なお、午前10時からは、関連して、データセンタの戦略会議があり、こちらも盛り上がった。

半導体デジタル戦略会議メンバー
＜座長＞
東哲郎 TIA 運営最高会議議長
＜有識者＞
五神真東京大学大学院理学系研究科教授
鈴木一人東京大学公共政策大学院教授
橋本和仁物質・材料研究機構理事長
森川博之東京大学大学院工学系研究科教授
若林秀樹東京理科大学大学院経営学研究科教授
村井純慶應義塾大学教授
＜産業界＞
【半導体・情報インフラ・デジタル産業全般】
加藤良文株式会社デンソー経営役員・CTO
澤田純日本電信電話株式会社代表取締役社長
時田隆仁富士通株式会社代表取締役社長
西川徹株式会社 Preferred Networks 代表取締役 CEO
森田隆之日本電気株式会社代表取締役執行役員社長
山田善久楽天モバイル株式会社代表取締役社長
【デジタル産業関係】
宮川潤一ソフトバンク株式会社代表取締役社長執行役員兼 CEO 兼渉外担当
【半導体関係】
川橋信夫 JSR 株式会社代表取締役社長 COO
早坂伸夫キオクシア株式会社代表取締役社長
【オブザーバー】
覺道崇文内閣府大臣官房審議官（科学技術・イノベーション担当）
北林大昌総務省総合通信基盤局電気通信事業部長
坂本修一文部科学省大臣官房審議官（研究振興局及び高等教育政策連携担当）
堀内義規文部科学省大臣官房審議官（研究開発局担当）
白石隆夫環境省大臣官房審議官（総合環境政策統括官グループ及び地球環境局担当）
山本和徳デジタル庁戦略・組織グループ審議官
安田哲二産業技術総合研究所エレクトロニクス・製造領域領域長
岸本光弘産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センターセンター長
有馬伸明新エネルギー・産業技術総合開発機構 IoT 推進部長
林勇樹新エネルギー・産業技術総合開発機構 IoT 推進部
ポスト 5G プロジェクト推進室長
笹川敏夫
野村不動産株式会社西日本支社
・2021年11月15日
国内で生産する外資企業も数兆円単位の売り上げ規模を目指していくとした。
→外資には国内確保に協力する代わりに、たっぷり儲けてもらう割り切りができるか、という点は懸念。従前の危機時のようにハゲタカ呼ばわりしていては、良いパートナーは来てくれないでしょう。
与島大悟
電子部品メーカー　経営管理
・2021年11月15日
半導体ハードウェアの生産ラインは儲からず、リスクが高いことには中国も気付いているはず。
他国がこれから投資の流れに乗るかどうか。
低利益率でも切り詰めて働ける日本人には向いてるかもしれないですね。