[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日発表した10月の石油精製量は5840万トン(日量1375万バレル)で、16カ月ぶりの低水準となった9月から増加した。燃料価格の上昇や堅調な需要を背景に、精製業者が生産量を引き上げた。

9月の精製量は日量1364万バレルだった。10月の精製量は前年同月比では3%減少したが、1─10月では5億8515万トンと、前年比5.2%増えた。

燃料油価格は8月半ば以降、産業界からの需要増や供給逼迫を背景に上昇してきた。中国南部のディーゼル・ガソリン卸売価格は10月下旬までに30%超上昇し、中国政府は燃料備蓄の放出を発表した。

中国の石油精製最大手、中国石油化工(シノペック)はその際、自社の精製施設はフル稼働しており、10月にディーゼル生産を前月比20%拡大したと明らかにしていた。中国石油天然気(ペトロチャイナ)も10月にディーゼル供給を拡大した。

サブライム・コンサルタンシーのデータによると、石油精製業が盛んな山東省の独立系精製業者は10月下旬の稼働率が約73%と、9月末の68%から上昇した。

JLCコンサルタンシーのアナリストはリポートで「ディーゼルやガソリンが高値水準にあり、精製マージンが引き続き良好となる中、精製業者は稼働率を上げる強いインセンティブがある」とした一方、「冬場の汚染対策から11月下旬には稼働が抑制される可能性がある」と指摘した。

国家統計局によると、10月の中国の原油生産量は前年比3%増の1683万トン、1─10月は2.5%増の1億6619万トンだった。

10月の天然ガス生産量は0.5%増の165億立方メートル。1─10月は9.4%増の1684億立方メートル。