米、日本と鉄鋼・アルミ関税巡り協議へ
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現在の鉄鋼・アルミの高関税は、トランプが発動した通商拡大法232条によるもので、これは1962年にできた「米国の安全保障に対する脅威」に対する大統領権限の関税引き上げルールです。
この対象に自動車・自動車部品を含められたくなければ日米貿易協定を締結して牛肉等の関税を下げよ、という論調でトランプ大統領が交渉してきた経緯ですので、今回鉄鋼・アルミの関税が下がれば、積み残しとなっている日米の自動車分野の交渉も不要になるかもしれません。
この232条については、キャサリン・タイUSTR代表も「冷戦時代に成立した法律であり現代にそぐわなくなっている」と議会に改正を要請していますし、具体的な進展(対日本の鉄鋼関税引き上げの解消)が期待されます。2018年にトランプ政権が232条による鉄鋼、アルミ関税引き上げをした時、EUなどは反発してWTO提訴して米国に対して報復関税をかけたが、日本だけはトランプ政権への配慮(?)から、WTO提訴も報復関税もかけていないでやられっぱなし。
そのツケが今来て、EUとは交渉で解決しても、日本には交渉のレバレッジはなく、苦しい協議に。これは当然予想された事態で、当時の日本の対米配慮が自己満足ということ。
何とか対中国を前面に出して経済安保も絡めて交渉の努力をしているようだ。日本だけ取り残されては目も当てられない。
米国政府も産業界を納得させるプロセスが必要になっている。
なお、EUを見ても分かるように、これは自動車関税の交渉とは関係がない。
またこれはキャサリン・タイUSTR代表ではなく、レモンド商務長官が協議のキーパーソン。米通商拡大法232条は米国の安全保障上の理由で貿易阻害措置を取れるということになっており、いわば日本との間で関税が残っているのは、日本がアメリカの安全保障を脅かしていると解釈しうる状況。EUは報復措置を取ったから早かったけど…。