[10日 ロイター] - 経営危機に陥っている中国不動産開発大手、中国恒大集団の米ドル建て債利払いの猶予期間が10日に迫る中、利払いを履行できるかどうか不透明感は強いままだ。中国不動産部門全体の流動性問題を巡って懸念が高まりそうだ。

恒大は3000億ドル強の債務を抱えており、そのうち190億ドルは海外市場で発行した社債だ。過去数週間に利払い期日が相次ぎ到来し、猶予期間が切れる直前に履行することでかろうじてデフォルト(債務不履行)を回避してきた。

10日までに1億4800万ドルの利払いを履行しなければデフォルトに陥る。さらに12月28日には、2023年6月償還債と25年償還債の計2億5500万ドル強の利払い期日が到来する。

中国政府は国有企業や政府系不動産開発業者に対し、恒大の一部資産を購入するよう促してきた。

恒大の問題が業界全体に波及するとの懸念で、不動産会社の社債は9日に急落した。