2021/11/10

【超入門】アルゴリズムに関する5つのQ&A

「みなさんが怖がっているのは、本当に『アルゴリズム』のことですか?」
アルゴリズム研究に従事する、国立情報学研究所の宇野毅明教授に質問をぶつけると、のっけからやさしく諭された。
わたしたちは「数字」に頼って生きている。「これは大きい・小さい」と比較をして、さまざまな判断や意思決定を日々行っているのだ。
「大きい・小さい」だけではない。「面白い」「かっこいい」といった感覚的なものまで、そのレベルを測りたがる。
しかし、それには正解がない。そのため、それをできる限り“正解”に近づけるために人類が編み出したのが「数理モデル」だ、と宇野教授は解説する。
Facebookで流れてくるコンテンツの面白さなら、「いいね」されたら+1点、コメント付きでシェアされたら+15点、と数式化していくのだ(あくまで概念です)。例えばディープラーニングというのも、脳の神経回路を模した「数理モデル」である。
(写真:JESPER KLAUSEN / SCIENCE PHOTO LIBRARY / GettyImages)
じゃあ、アルゴリズムって何ですか?
アルゴリズムは、こうした数理モデルという「親」に頼まれた計算問題を、適切な手順で行うことを指す。いわば自動化を担う「下請け」のようなものだ。
ここで直面するのは、だらだらと計算していては、いつまで経っても仕事が終わらないということだ。「できるだけ速く計算を終える」。それこそがアルゴリズムの進化の歴史であり、最大の役割なのだ。
「計算の手順が悪い、といったツッコミは、あまり見たことがありません。アルゴリズム批判のほとんどは、本当は数理モデルのデザイン、ひいては経営そのものへの批判でしょう」
宇野教授は続ける。かつて人類が自動車を生み出したとき、人がはねられて死ぬことなど狙っていなかったはずです、と。
交通戦争と呼ばれた時代、日本でも死者は年間1万人を超えた。しかし社会は車道と歩道を分けたり、信号を整備したりしながら折り合いをつけ、いまでは年間3000人を下回っている。
Facebookもまた、フェイクニュースの拡散やメンタルヘルスの悪化を狙っていたわけではないだろうと。
「だから使うのをやめようという議論は稚拙です。インターネットやSNSに救われた人の方が、もっとたくさんいてもおかしくない。かつての自動車のような議論が必要なのです」
そこでNewsPicks編集部は今回、アルゴリズムのキホンが分かる5つのQ&Aを用意することにした。社会が議論を前に進めていく上で、大事な土台になるはずだ。
🔍アルゴリズム、5つのQ&A
  1. 🖥アルゴリズムって何?
  2. 🏳️‍🌈どんなアルゴリズムがあるの?
  3. 🔧何に使われているの?
  4. 👍よいアルゴリズムってどんなもの?
  5. 📱Facebookのアルゴリズムって?