[北京 3日 ロイター] - 財新/マークイットが3日発表した10月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は53.8と、前月の53.4から上昇し、7月以来の高水準を記録した。堅調な需要に支援された。ただ、インフレ圧力の高まりで企業信頼感は低下した。

PMIは50が景況改善・悪化の分岐点となる。

中国国家統計局が最近発表したPMIではサービス部門の伸びが鈍化しており、対照的な内容となった。

財新/マークイットのデータでは新規事業のサブ指数が54.1と前月の53.1から上昇した。前月に減少を示していた輸出受注が増加したことが背景。

投入価格指数は16カ月連続で上昇し、7月以来の高水準。人件費や原材料価格の上昇が要因となった。ただ堅調な需要を受け、企業はコストの一部を消費者に転嫁することができた。

それでも、根強いインフレ圧力やサプライチェーンを巡る懸念を背景に企業信頼感は4カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。

製造業とサービス部門を合わせた10月の総合PMIは51.5で、前月の51.4から小幅に上昇した。

財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「需要と供給の回復はともに勢いを維持した。雇用はほぼ安定しており、物価の指標は高い水準にある」と指摘。

「政策当局者は、コモディティー(商品)の供給と価格の安定に向けた効果的な対策を講じるだけでなく、特に中小の下流部門企業に注意を払う必要がある」と語った。