[2日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは2日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの売上高について、2021年は360億ドル、22年は290億ドルになるとの見通しを示した。両年とも市場予想を上回った。

22年は40億回分のワクチン生産能力があるものの、現時点での売上高見通しは17億回分の販売に基づいている。同社はワクチン供給契約のさらなる獲得を目指しており、契約が増えれば来年の売上高はさらに増加する可能性がある。

ただ、ブーラ最高経営責任者(CEO)は、低中所得国の来年のワクチン発注が間に合わず、先進国に再び後れを取ることになる可能性に懸念を示した。

同社は低中所得国に来年、少なくとも10億回分のワクチンを提供することを見込んでいる。

21年は上方修正された見通しに基づくと、新型コロナワクチンの売上高が総売上高に占める比率は最大44%に達する見通し。

ワクチン売上高の市場予想は21年が354億4000万ドル、22年が221億5000万ドルだった。

今年は約30億回分のワクチン生産を計画し、うち23億回分が出荷される見通しという。

第3・四半期のワクチン売上高は130億ドルだった。

ファイザー・ビオンテック製ワクチンの売り上げは、米モデルナやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を大幅に上回っている。

ファイザーなどの新型コロナワクチンメーカーは今後数年間、毎年のブースター(追加)接種から数十億ドルの利益を得る見込みだとアナリストは指摘している。

ファイザーのドルステン最高科学責任者(CSO)によると、同社はすでに4回目のワクチン接種に関する臨床試験を計画しており、毎年のワクチン接種を支持するようなデータが得られる可能性がある。

同CSOは、データが得られれば、来年のインフルエンザ流行期前にコロナワクチンの年間接種に向けた申請を行う可能性があるとした。

ファイザーはまた、新型コロナ感染症の治療薬として抗ウイルス剤の研究も行っており、認可されれば、年内に供給を開始する可能性がある。