[ロンドン 28日 ロイター] - 英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが28日に発表した第3・四半期決算は、調整後利益が41億3000万ドルと、市場予想を下回った。

同社は温室効果ガスの排出削減目標を強化した。2050年までに排出を実質ゼロにすると表明していたが、オランダ・ハーグの裁判所は5月、シェルの現行の温暖化ガス削減目標は十分でないとし、顧客の排出量(スコープ3)も含め、2030年までに19年比で45%削減するよう命じる判決を言い渡していた。

シェルは上訴している。同社は、自社の事業と自社が利用する電力から生じる排出量(スコープ1、スコープ2)の絶対量を2030年までに16年比で半減させると表明。従来の目標は、絶対量ではなく、エネルギー生産1単位当たりの排出量だった。

第3・四半期の調整後利益は、市場予想の53億1000万ドルを下回った。前四半期の実績は55億3000万ドル、前年同期の実績は9億5500万ドルだった。

事業から生じたキャッシュフローは、ガス価格の上昇を受けて、第3・四半期に前年比で約54%増加し、160億ドルとなった。これにより、純債務は575億ドルに減少。前四半期は657億ドルだった。

第3・四半期の石油・ガス生産は日量208万石油換算バレルに減少。新型コロナウイルスの流行やハリケーンの襲来が響いた。

石油生産は前四半期比4%減の日量149万バレル。天然ガスの生産は17%減の日量339万立方フィート。

第4・四半期の液化天然ガス(LNG)生産は800万─860万トンに増加する見通し。

今年の投資予定額は約200億ドル。従来の投資予定額は220億ドル未満だった。