2021/10/24

【週末に読む】机上の空論を暴く「ノーベル賞研究」の突破力

NewsPicks編集部
約30年前、経済学の「机上の空論」を暴く研究手法が登場した。
その手法を開発、活用した3人が、今年のノーベル経済学賞に選ばれた。いずれもアメリカの大学で教授を務める、デビッド・カード氏、ヨシュア・アングリスト氏、そしてグイド・インベンス氏だ。
3人の研究のポイントは、社会科学の世界では困難とされていた「因果関係」を測る方法を確立した点だ。これにより、実際にそれまでの経済学の常識とされていた理論を覆した。
その破壊力はすさまじく、経済学のみならず、他の学問でも応用されている。
彼らが生み出したロジックとは一体どんなもので、世界にどんな影響を及ぼしたのか。
労働経済学が専門の大竹文雄・大阪大学大学院教授によるディープな解説をお届けしよう。
INDEX
  • 「因果関係」の難しさ
  • どのような「研究」だったのか
  • 賃金と所得の本当の関係
  • 経済学の「定説」は間違いだらけ?

「因果関係」の難しさ