[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)のカーン委員長は21日、インターネットサービスプロバイダーが「膨大」な消費者データを収集していると述べ、AT&Tやベライゾン・ワイヤレスなど主要プロバイダーが収集した情報に関するスタッフの報告書に言及した。

カーン氏は報告書について、「データに関する商慣行やユーザーのプライバシーを巡る議論が継続されることを目的としている」と説明。収集されたデータが合併審査の際に問題となる可能性もあると指摘した。

FTCは報告書をまとめるため、AT&T、ベライゾン・ワイヤレス、チャーター、コムキャストのエクスフィニティ、アルファベット傘下グーグル・ファイバー、TモバイルUSのほか、AT&Tとベライゾンに関連した広告企業に情報の提供を要請した。

報告書では、一部の企業が閲覧履歴やストリーミングの内容、人種や性的指向などのセンシティブな特性、リアルタイムの位置情報などのデータを収集し、第三者と共有されるケースがあることが分かった。

また消費者に関するデータの保管について一定期間としているプロバイダーもあれば、必要な限りとしている企業もあるという。

カーン氏は、プロバイダーがデータの収集方法や使用方法について顧客に選択肢を提供していると主張していても、実際にはユーザーは持続的な追跡から逃れることが困難だったり、不可能に近いことが分かったとしている。

コムキャストはこれまでに、ユーザーの閲覧履歴やアプリの使用状況などを追跡していないと述べている。

グーグルとベライゾンはコメントを控えた。その他の企業は現時点でコメント要請に応じていない。