[ストックホルム 19日 ロイター] - 通信機器大手、スウェーデンのエリクソンが19日発表した第3・四半期決算は、中核利益(調整後営業利益)が市場予想を上回った。各国での5G関連機器の販売が好調で、中国本土のシェア縮小や世界的なサプライチェーン(供給網)混乱による打撃をカバーした。

スウェーデン政府は1年前、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製5G機器の国内販売を禁止した。それ以降、エリクソンは、中国での通信機器入札で苦戦している。

カール・メランダー最高財務責任者(CFO)はインタビューで、売上高に占める中国の割合は10─11%から3%前後に低下したと説明。ファーウェイ製品除外を決定した一部の国での受注効果が帳消しになったという。

メランダーCFOによると、中国事業の不振が始まったのは第2・四半期からで、来年第2・四半期まで前年割れが続く見込み。

第3・四半期の中国売上高は36億スウェーデンクローナ減少。エリクソンは、中国の販売・配送組織の規模見直しを計画している。

ボリエ・エクホルム最高経営責任者(CEO)は声明で「第3・四半期の終盤に、サプライチェーン混乱による販売への影響がある程度あった。この問題は引き続きリスクとなる」と述べた。

メランダーCFOは、半導体の不足に物流上の問題が重なり、一部機器を納入できなくなり、売上高が減少したと説明した。

第3・四半期の調整後営業利益は88億クローナ(10億2000万ドル)で前年同期の86億クローナから増加。リフィニティブエスティメーツによる予想中央値(78億5000万クローナ)を上回った。

総売上高は2%減の563億クローナ。アナリスト予想(581億4000万クローナ)に届かなかった。