[上海 8日 ロイター] - 中国政府は8日、雲南省昆明市で11日から開催される第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)を前に、生物多様性白書を公表し、自然保護を優先課題にする方針を示した。

中国政府は産業開発や急速な都市化で生態系が破壊され、多くの種の絶滅が危惧されていることを認めている。

白書では「道のりはまだ長い」としながらも、国内には領土の28.8%に相当する276万3000平方キロメートルの「優先保護区」があると指摘。今後も法の執行を強化し、絶滅の恐れがある動植物の密輸や長江などでの禁漁違反を取り締まる方針を示した。

環境保護団体は、COP15で2030年までに領土の30%を保護区にするといった野心的な目標の採択に期待を寄せている。

生態環境省の高官は8日の会見で、各国が「野心と現実性」を示すべきだとし、特に資金・技術・人材を途上国に移転することを重視する必要があるとの認識を示した。

中国政府は白書で、生態系を保護するための資金を東南アジアやアフリカなどに供与する制度の構築を目指す方針も示した。