2021/10/15
自分の存在意義と成長が実感できる場所、マッキンゼー
NewsPicks Brand Design Senior Editor
デジタルトランスフォーメーション(DX)の大波が止まらない。世界最高峰のコンサルティングファームの一角であるマッキンゼー・アンド・カンパニーでも、プロジェクトの半数以上をデジタル関連が占める。
企業の既存ビジネスや本質的な企業文化の変革に挑むデジタル化の推進と、新規事業による成長をサポートする“Leap by McKinsey”を展開するMcKinsey Digitalでは、どんなアプローチが採られているのか。
グローバル規模でのDXを担う旗手として、その舞台にマッキンゼーを選んだ2人のコンサルタントを訪ね、仕事の醍醐味と本音に迫った。
なぜ、マッキンゼーだったのか
──おふたりとも中途入社だそうですが、どういった経緯でマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)に参画されたのでしょうか。
松本 私は「テクノロジーを梃(てこ)に日本をより良くしたい、世界を変えたい」という強い思いをキャリアのスタートから持ち続けています。
新卒では別の会社に入社し、プログラマーとしてスタート。その後はプロジェクト管理のほか、IT事業戦略のサポートなど、技術者やテクノロジーのコンサルタントとして一通りの業務を経験してきました。
充実した毎日でしたが、こうした業務を繰り返し経験するにつれ、日本をより良くし、世界を変えるためには、企業経営のテーマに深く踏み込み、全社的な変革にチャレンジしなければ、という思いが強くなっていきました。
そして、もっと自分の成果が支援先企業の業績としてはっきり見える世界に身を置いてみたい、と。
そんな時にマッキンゼー・デジタルの話を聞いて、「自分が求めている環境はこれだ!」と思ったんです。
マッキンゼー・デジタルは、DXの推進とデジタル新規事業構築を通じてクライアントのビジネスに持続的インパクトを生み出す事業で、経営戦略とテクノロジーの融合を前提としています。
トップマネジメントを巻き込み、意思決定の最上流から下流までend to endで関わることができる点に強く魅力を感じました。
山口 私も新卒時には別のファームに入社しました。
コンサルタントによくあるキャリアチェンジですが、その後「アドバイザーではなく、自分自身でビジネスを実行したい」という思いを抱くようになり、4年ほどでテックベンチャーに転身。
海外戦略チームに所属し、その企業が持つコンテンツのグローバル展開を担当していました。
その時の上司が、マッキンゼー出身だったのですが、彼の課題への向き合い方や意思決定のプロセス、組織運営の方法など、その仕事一つひとつが驚くほど洗練されていて、毎日が学びの宝庫でした。
そして、彼は言うのです。
こうした思考は「すべてマッキンゼーで身につけた」と。
正しいアプローチで戦略を策定し実行すると、より良い答えに、より早くたどりつける。戦略的思考を鍛える余地と価値がまだまだあると痛感し、私もマッキンゼーに行こう、と決意しました。
マッキンゼーが考える、DXの本質
──今、多くの企業や組織がDXに取り組んでいます。DX支援を掲げるファームは多くありますが、マッキンゼーのアプローチに特徴はありますか。
松本 マッキンゼーでは、クライアントが抱える課題に対し、“HOW”からスタートすることはありません。
そもそも本当にその変革が必要なのか、なぜ課題が生じるのか、DXで何を実現すべきなのか。
つまり、“WHY”や“WHAT”の視点を重視し、経営トップ層を巻き込んで、ともに根本的な課題の定義からとらえ直すことにパワーを注いでいます。
もちろん、DXは企業にとって喫緊の課題。手っ取り早い答え(=HOW)を求められることも少なくありませんが、単なるソリューションの導入やIT化を実現するだけでは、真にインパクトがある企業変革は起こせません。
求められるのは、企業文化そのものから破壊して、創造し直す作業。
ただし、このプロセスは時に痛みを伴います。中途半端な関わり方では、互いに満足のいく成果を得られないでしょう。
そのため、クライアントの経営トップが本気でコミットし、強い覚悟を持てる企業だけを支援する、と徹底しています。
山口 私は入社9年目ですが、こうした理由で受注を見送ったプロジェクトをいくつも見てきました。
コンサルティングファームもビジネスですから、自社の売上目標を定め、その達成に向け受注を取りにいくのが一般的だと思います。
しかし、マッキンゼーではクライアントにとって良いインパクトが期待できないと判断されたプロジェクトは、ほかにどんな魅力があっても受けることはありません。
その分、同じ目標を共有したクライアントととことん同じ方向を向き、コミットすることを重視しています。
松本 マッキンゼーのDNAとして、自社の成長や規模拡大を重視しないという特徴があるんですよね。
常に第一に考えているのは、クライアントの成長。
だからこそ、最上流から関わり、成果にもしっかり責任を担う。私が入社して最も驚いたのは、ここでしたね。
マッキンゼーには世界で1万7000人以上のコンサルタントがいますが、そのうちの約3割、5000人以上がマッキンゼー・デジタルに所属する専門家です。データサイエンティスト、フルスタックエンジニア、デザイナーといったデジタルの専門家が多く活躍しています。
こうしたプロフェッショナルたちが、戦略の提案だけでなく、真にクライアントと一緒になって、PDCAの“DO”のプロセスに立ち向かっている。
話は入社前から聞いていましたが、まさにクライアントと同じ釜の飯を食う姿を目の当たりにしたときには、改めて感動を覚えました。
次世代リーダーへのメッセージが込められた『マッキンゼーが解き明かす生き残るためのDX』。松本氏も執筆に携わった。
起業家のような立場で、ともに新規事業を作り出す経験も
山口 私は今、主にLeap by McKinsey(以下、Leap)という新規事業の立ち上げ支援を担当しています。
Leapは、クライアントと共同で新規事業チームを立ち上げ、エンジニア、デザイナー、データサイエンティストなど最適なスキルを持つ専門家をアサイン。ともに汗をかき、目標達成までのプロセスを実行するユニットです。
ここでも徹底的にend to endで伴走するのは、マッキンゼーのユニークネスであり、醍醐味ですね。
現在は、アプリの立ち上げに向き合っています。
クライアントの強みを活かすためには、どんなビジネスが必要かから議論し、売り上げの見込みや成長戦略などビジネスの道筋を描き、運営体制を考えて人材を集めていく。
そして、ユーザーにインタビューし、エンジニアやデザイナーとコミュニケーションを取りながら、アプリを磨く作業を繰り返す日々。
こうして現場で手を動かしながら、常に全体を俯瞰した立場でクライアントとともに新規事業を進めているので、まるで自分が起業家としてビジネスを立ち上げているかのような感覚を覚えるほど。
経営とともに大きなビジネス戦略を描くことと、才能あふれる多彩な職種の方々とコラボレーションしながらの現場の開発のプロセス。その双方の経験を一貫して積めるのはLeapならではの醍醐味。
過去にコンサルタント職を離れた際には、「もっと手触り感のある仕事をしたい」と思っていましたが、もうこれ以上の手触り感はないんじゃないか!というくらい、毎日が刺激的です。
加えて、マッキンゼーがクライアントインパクトと並び大切にしているのが、自社の人材育成です。
多くのコンサルタントが在籍する中で、その一人ひとりが自らの成長と学びにつながるプロジェクトに関わることができているか、充分な成長機会を与えられているかという点が重視されている。
クライアントインパクトと、人材の成長をうまくバランスさせている会社だと感じます。
松本 日々の会議ひとつをとっても役職や年齢にかかわらず、それぞれがフラットに意見をぶつけ合いながら意思決定がされていく印象があります。
マネージャーまでしか知らされないような情報はほとんどないので、ジュニアのメンバーも経営者と同じ目線でプロジェクトに関わることができる点も、マッキンゼーの特徴ですね。
プロフェッショナルとしての働き方が可能な環境
──成長の機会が多い反面、コンサルタントは非常に激務なイメージがあります。
松本 我が家は幼稚園と小学生の2人の子どもを持つ共働き家庭なので、私も当然、家事と育児を担っています。
夫婦円満でいられる程度に、バランスはとれていますよ(笑)。
休日は、家族と趣味のキャンプを楽しむ余裕もあります。プライベートを犠牲にするような働き方をする人は見ないですね。
山口 マッキンゼーでは、各プロジェクトがスタートする前に自己紹介やワークスタイルをチームに共有する「チームラーニング」があり、個々の働き方を尊重し協力しながらプロジェクトを進められるよう「チームノーム」を決めます。
私も1歳の子どもがいて、現在2人目の出産を控えているため、育児で忙しい時間帯の朝9時以前や夕方6時から8時以外に会議を設定するなどしプロジェクトに関わることができています。
仕事と子育てを両立しながらはタフですが、働き続けられる環境をみんなで作っています。
松本 マッキンゼーでは分業体制が充実しているので、事務的な作業に忙殺されることが少ないのがありがたいところです。
ビジュアルなプレゼンテーション資料はシェアードチームが作ってくれますし、翻訳やリサーチなども専門家に任せられます。
こうした専門性が高く時間を取られる作業は専任チームに任せ、コンサルタントは自分にしかできない仕事に集中できるんです。
山口 年に1度、5~10週間の休暇がとれる「テイクタイム」というプログラムも利用できます。
業務外の学びにあてたり、リフレッシュする時間にしたり、ここで何をするかは自由。
目の前の仕事だけの毎日で終わってしまわないよう、興味あることにトライしながら人生をコントロールできるところも気に入っています。
グローバルな知見と成長機会が身近に
──山口さんは海外オフィスでの経験が豊富だとお聞きしました。
山口 はい、東京オフィスのほかに、シンガポールとロンドンのオフィスで勤務しました。
グローバルで働きたいというのは転職のもうひとつの理由でもあったので、期待以上の環境を与えてもらっていますね。
ただ、日本に帰ってきて改めて感じるのは、国内拠点にいても充分、グローバルな働き方ができることです。
たとえば、5Gの最新トレンドについてサンフランシスコのコンサルタントに問い合わせたり、欧州の自動車業界についてドイツの担当者に情報をシェアしてもらったり。これが日常なんです。
世界中の多様かつ最先端の知見が身近にあって、いつでもアクセスできるのは、刺激的で心躍る環境です。
松本 現地法人とか支社といったサイロな考え方にとらわれないのは、マッキンゼーの経営理念ですね。
国境を越えた“One Firm”としての運営を大切にしているからです。
国籍や所属する拠点に関係なく、世界中のプロジェクトに関わることができますし、どのオフィスにどんな専門家がいるといった情報は共有されているので、アドバイスが必要なときはいつでも最適な人にアクセスできます。
世界中のエキスパート人材に、気軽にミーティングに参加してもらえるのは本当に頼もしいこと。
プロジェクトの担当者だけでなく、世界中のスタッフが協力し、ベストプラクティスを導き出すことがマッキンゼーの価値であると全員が理解しており、それが評価にもつながります。
もし、他拠点に興味があるプロジェクトがあれば、自分から関わりたいと希望することもできる。活躍の可能性が国内に制限されることはなく、グローバルに際限なく広がっています。
──今、マッキンゼーでは採用を強化されているとうかがいました。どんな方と働きたいですか。
松本 多種多様なバックグラウンドを持つ方に参画してもらって、その専門性を発揮してほしいですね。
実際にマッキンゼー・デジタルには、ITコンサルの経験者はもちろん、テックカンパニーやスタートアップといった事業会社の出身者や起業経験がある人も多くいます。
経営と同じ目線で、戦略の実行フェーズまでしっかり伴走できるのがマッキンゼーの魅力。立案した戦略が、その後どうオペレーションにつながっていくのかをこの目で見届けながら、ともにデジタル変革に取り組む経験は得難いもの。
「マッキンゼーさんと一緒にやってよかった」と、感謝の言葉をいただくことも少なくなく、自身の存在意義を実感し、より変革への思いを強くする毎日です。
山口 私たちが大切にしているのは、「Make your own McKinsey」というキーワード。
マッキンゼーという舞台を使って、一人ひとりがプロフェッショナルとして自由な未来を描き、成長に向けたチャレンジができるんです。
だから、この最高の舞台をめいっぱい活用し、社会にインパクトを起こしたい方とぜひ一緒に働きたいですね。
松本 グローバルな知見を活用し、20代や30代からでも経営目線での経験をいくつも重ねられるのは、マッキンゼーならではの醍醐味。
日本、ひいてはグローバルな視野でのデジタル変革に挑みたい、テクノロジーで世界を変えたいという大きな野望を持たれている方にとって、マッキンゼーの環境は間違いなく最適です。大きなミッションに、ぜひともに挑みましょう。
執筆:森田悦子
写真:北山宏一
デザイン:Seisakujo
編集:樫本倫子