[シンガポールドル 27日 ロイター] - 世界の石油需要が来年初めには新型コロナウイルス流行前の水準に達するとの見方が、プラッツ主催のAPPEC2021会議で27日、業界関係者から示された。ただ、製油の余剰能力が精製マージンを圧迫するとの指摘も出た。

一部の国では新型コロナの流行が、ジェット燃料など一部の石油製品の需要回復の重しとなっているが、ガソリン・軽油の消費は増加する傾向にあるという。

BPシンガポールのユージン・レオン社長は「当社では需要の回復で精製マージンが改善している。ただ、世界全体で見れば、未稼働施設がまだ多い」とし「(製油の)余剰能力がマージンをやや圧迫するだろう」と述べた。

また「今年だけで、一部の巨大な製油・石油化学施設が稼働を開始しており、製油業界の見通しは厳しい」との見方も示した。

ただ、今後は需要の回復で、製油業者の利益が押し上げられ、生産再開や新規生産の余地が生じるとみられている。

米石油・ガス生産ヘスのグレッグ・ヒル社長は、世界の石油需要が今年末から来年初めにかけて、新型コロナ流行前の日量1億バレルに拡大するとの見通しを示した。