(ブルームバーグ): 多額の債務を抱える中国の不動産開発大手、中国恒大集団は、資金確保を急ぐために新たな資産売却に踏み切る可能性がある。対象は急成長する生命保険事業だ。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、スティーブン・ラム氏によると、恒大は恒大人寿の持ち分50%を簿価の0.5倍で売却すると、6億ドル(約660億円)の調達につながる可能性がある。2015年の恒大による買収後、恒大人寿は市場シェアを9倍以上に拡大し、過去4年間は毎年利益を上げている。

これは潜在的な買い手にとって掘り出し物のように聞こえるかもしれない一方、多少の難点もある。ラム氏は27日のリポートで、急速なシェア拡大は低いソルベンシー比率を犠牲にしたものだと指摘。6月末時点で恒大人寿の110%に対し、同業大手6社の平均は239%だったことから、これを200%以上に引き上げるために恒大の持ち分の買い手はさらに22億ドルを払う必要に迫られる可能性があるという。

原題:Evergrande Could Raise $600 Million Selling Life Insurance Stake(抜粋)

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