液晶「レグザ」敗訴確定 日亜化学の特許を侵害
コメント
注目のコメント
この判決の凄いところは、一部品にすぎないLED特許の侵害賠償額がテレビという製品全体売上高の0.5%と評価されたところです。
通常、特許のライセンス料とは売上高の3~5%といわれています。
部品の特許であれば、その部品売上高の数%が特許ライセンス料です。
なので、テレビという製品全体の売上高のうち0.5%を特許料として支払いを命じたことは、この部品特許の貨幣価値が非常に高いものとして評価されたことを意味します。
ちなみにこの記事にはテレビ製品全体売上高と書かれていませんが、売上高が249億円で販売台数が73万台であれば3.4万円/台となりますので、出荷ベースの売上高と踏まえれば、これはテレビ製品全体売上高にかかった損害賠償額と推定できます。
日本の特許に対する貨幣価値評価は低いと言われてきましたが、知財高裁がこうした判決を出し最高裁でもそれが通ったということは、形の無い知的財産の価値をしっかりと評価していこうという時代の潮流なのでしょうか。
歴史の流れを感じる判決であったと思います。日亜化学の知財部は本当に強いな…東芝相手でも容赦ない
追記
・日亜化学はノーベル賞受賞者でもある中村教授(UCサンタバーバラ)が研究員として在籍している時代に青色LEDの発明による特許で毎年莫大な売上利益を上げ続けてきた。
・皆さんご存知の発明権者の中村さんと日亜化学の訴訟は過去、世界的にも有名な訴訟となった。
https://biz-journal.jp/2014/10/post_6311.html/amp
その後、日亜化学は知財、法務に関して並々ならぬ、勢いでさまざまな企業と客であれなんであれ法廷であれ、示談であれ、紛争し続けてきた。
・LEDは液晶パネルのバックライトとしてFCCLの代わりに使われるようになり、それと共にLED市場は照明用途だけでなくディスプレイ用途にも拡大を続けてきた。
・日亜化学のプレスリリースを見ればどれくらい日亜化学が並々ならぬ勢いで特許に関して争い続けてきたかわかる。(こうやって書いてもなかなかわざわざHP見に行く人は少ないけどね)
・全ては会社の知財、特許の権利を守るため、とも言えるが、このアグレッシブな姿勢は電機業界ではエンジニア含めて大変有名になり、液晶パネルメーカーもそうおいそれとLEDに関しての特許を侵害しようとは思わなくなった。
・当たり前だが、日亜化学は青色LEDの特許以降も継続して特許取得し続けており様々な応用特許や構造特許を取得している。この特許を侵害してしまうケースが結構ある。
・液晶は自発光ではないため、LEDなどで後ろ側から光を当ててやらないと映像が綺麗に見えない。そして、LEDがどのように配置されるか、どういう色変換をするか、どういう光拡散シートを使うかなど様々な要因でクオリティが大きく変わる。液晶パネルにおけるLEDの存在感は大きい。例えば、iPad Proなどで採用されているローカルディミング技術や三星が世界で展開するQLED TVなどはLED技術の結晶と言える。(全てが日亜がらみという話では当然無い。悪しからず)メーカー勤務の発明者にしっかりと特許収入が入れば面白いのですが。日亜さんなら、さぞかし…。
私が過去勤務していたメーカーは、辞めた今でも特許収入を送ってくださいます。
私より古い研究畑の方は、「毎年家が一軒建つ」と豪語されていた方もいらした様で。仕組み・仕掛け次第でやりがいが出て、夢があるなと感じます。