[バンクーバー 24日 ロイター] - 米検察当局は24日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟氏と訴追延期合意(DPA)を結び、孟氏に対する刑事訴訟を終わらせると発表した。これを受け、孟氏はカナダからの出国が可能となる。

孟氏は2018年12月、イラン制裁問題に絡む銀行詐欺容疑を主張する米国側の要請に基づき、カナダで拘束された。同被告は無罪を主張していた。

ニューヨーク市ブルックリンの連邦地検は、DPAに至ったことについて「孟氏は世界的な金融機関に対する詐欺行為を実行する上で自身が果たした主要な役割について責任を取った」とした。

今回のDPAは孟氏のみを対象としており、米司法省はファーウェイに対する裁判に向けた準備を進めているという。

ファーウェイの広報担当はコメントを控えた。

地検によると、孟氏がDPAの下で全ての義務に従えば米政府は孟氏に対する訴訟を取り下げるほか、孟氏は自己誓約によって保釈され、米政府はカナダへの身柄引き渡し要請を撤回するという。

孟氏の代理人の弁護士は今回の合意に「非常に満足している」とし、「14カ月後には訴訟が確定力のある決定として退けられることを十分期待している」と述べた。

カナダの裁判官は孟氏の保釈条件を取り消した上で、釈放命令に署名した。

今回の合意により、中国で拘束されているカナダ人の実業家マイケル・スパバ氏と元外交官マイケル・コブリグ氏の釈放への道が開かれる可能性がある。両氏は孟氏がバンクーバーの空港で拘束された数日後に拘束されていた。