[マドリード 23日 ロイター] - スペイン国家統計局が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比1.1%増と、速報値の2.8%増から大幅な下方改定となった。年末までに新型コロナウイルス禍前のGDP水準を回復するとの政府見通しが危うくなった。

第1・四半期の成長率もマイナス0.4%からマイナス0.6%に下方改定された。第2・四半期は前年比で17.8%増と、速報値の19.8%増を下回った。

経済協力開発機構(OECD)は21日、今年のスペイン経済は加盟国で4番目に高い成長率を記録すると予想。スペイン銀行(中央銀行)も同日に年間の成長率見通しを6.3%に引き上げたばかりだった。

カルビニョ経済相は今週、年末までにGDPがコロナ禍前の水準を回復するとの見方を示していたが、下方改定を受けて見通しの修正を迫られるとみられる。

統計局は下方改定について、サービスおよび製造業の最終的な売上高や民間消費を反映していると説明した。消費に最も左右される小売り、レストラン、運輸といった部門はマイナス0.4%の成長率になったと推計。従来は5.5%のプラス成長としていた。

「現在は大幅で急速な変化の時期で、統計上、前例のない課題をもたらしている」とした。

BBVAのチーフエコノミスト、ラファエル・ドメネク氏はGDP下方改定を受け、スペイン経済の回復は大幅に遅れる見通しになったと指摘した。